知性の罠 なぜインテリが愚行を犯すのか (日経ビジネス人文庫) ( デビッド・ロブソン (著), 土方奈美 (翻訳) )の書評【The Intellicence Trap】

去年秋頃に面白そうだと思ってKindle版をダウンロード購入していました。

知性の罠 なぜインテリが愚行を犯すのか (日経ビジネス人文庫) Kindle版(2025年4月3日発売)
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知性の罠 なぜインテリが愚行を犯すのか (日経ビジネス人文庫) ( デビッド・ロブソン (著), 土方奈美 (翻訳) )【The Intellicence Trap】

ちなみにこの本は2020年7月に出版された
The Intelligence Trap(インテリジェンス・トラップ) なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか (日本経済新聞出版) Kindle版
を改題の上、文庫化したものだそうな。

世界事情が複雑な昨今、よく科学に基づかない害悪な情報(もちろん科学、化学は万能ではありません。しかし多くの叡智が集結し、少なくとも今はこれが正解に限りなく近いであろう情報を私は信じます。)や「ディープステート」(Deep State)等、陰謀論が蔓延っております。ただ不可解なのはいわゆる頭が良いとされているインテリ層や一部左側の方々、極端な右な方々でも平気でそういうのを言い放っているのをSNSではよく見ます。
頭、良いんじゃないの?と思いますがそういう方々が陰謀論にハマったりするのはそれ相応の理由があるのだな、とこの本を読んで思いました。
もちろん、こんなのウソに決まってんじゃん、騙しやすい連中を騙すために知っててやってんだよ、という論外のもいるでしょうが、そうではない方々。

本の説明には

IQが高い人、有名大学を卒業している人、ナレッジワーカーの中にも、愚かな誤りを犯す人がたくさんいます。優秀で高い教育を受けた人ほど陥る「知性の罠」とは......。

◇IQが高いほど、投資の判断力が低く、破産しやすい
◇脳の仕組みからわかる「超有名大卒の人が、自己弁護ばかりする理由」
◇高い教育を受けた人ほど、陰謀論にハマって抜け出せない
◇野球では成功するスター軍団方式。企業がマネすると失敗する
◇大学進学試験の点数が高いのに、合理的に考えられない人が多数いる

心理学や認知科学の研究から「本当の知性」とは何かを解説。
どういう姿勢で考えて、どういう角度から学べば真に賢く生きられるのか、その秘訣をご紹介します。

とあります。
目次は
第1部 知能の落とし穴----高IQ、教育、専門知識がバカを増幅する
├第1章 IQ190以上の神童の平凡なる人生----知能の真実
├第2章 天才はなぜエセ科学を信じるのか----「合理性障害」の危険性
└第3章 専門家が判断ミスを犯す根本理由

第2部 賢いあなたが気をつけるべきこと
├第4章 優れた判断力、知的謙虚さ、心の広さ
├第5章 なぜ外国語で考えると合理的判断が下せるか ──内省的思考
└第6章 真実と噓とフェイクニュース


第3部 実りある学習法----「根拠に基づく知恵」が記憶の質を高める
├第7章 なぜ賢い人は学ぶのが下手なのか----硬直マインドセット
└第8章 努力に勝る天才なし----賢明な思考力を育む方法

第4部 知性ある組織の作り方
├第9章 天才ばかりのチームは生産性が下がる
└第10章 バカは野火のように広がる----組織が陥る「機能的愚鈍」

という感じで書籍のタイトル的な内容は第1部と第2部ですかね。3と4はそうならないような勉強法や組織論です。ぶっちゃけ言えば謙虚でいろ、大きな探究心を持て、と私は解釈しますが。でも3部と4部も結構、為になりました。

気になる部分を引用
P8→はじめに、の部分で
賢い人はある種の愚かな思考に 人並み以上に 陥りやすいのだ。  たとえば知能も教育水準も高い人は、自らの過ちから学ばず、他人のアドバイスを受け入れない傾向がある。しかも失敗を犯したときには、自らの判断を正当化するための小難しい主張を考えるのが得手であるため、ますます自らの見解に固執するようになる。さらにまずいことに、こうした人々は「認知の死角」が大きく、自らの論理の矛盾点に気づかないことが多い。
P11
認知反射に加えて、インテリジェンス・トラップを回避するのに重要な特性として、知的謙虚さ、積極的なオープンマインド思考、好奇心、優れた感情認識、しなやかマインドセットなどが挙げられる。これらが組み合わされば、知性を正常な軌道にとどめ、思考が崖から転落するのを防げる。
P12
デカルトは1637年の「方法序説」に書いている。「最高の知性を有する者は、最高の美徳とともに最大の悪徳をも成しうる。拙速に進み、道を誤る者より、歩みはきわめて遅くとも常に正しい道を歩む者の方がはるか先まで到達できる」

P15

19世紀の偉大な心理学者、ウィリアム・ジェームズはこう言ったという。「たいていの人は、モノを考えているつもりで、先入観を組換えているだけに過ぎない」
これ、仕事でも何度かやらかしてというか症状をパッと見てほぼこれだろう、と先入観で判断したら間違っていた、というのがありまして・・・こういうのは結構、ハッとさせられる言葉ではございますね。

P46
プログラマー達は間違いなく地的で経験豊富だったが、協調性はがっかりするほど低かった。たとえばインドとフィリピン出身のプログラマーが問題の解決策で合意していも、他のメンバーがそれとは異なる、両立できない形で実装する、という具合に。全員が同じ言語を話しているのに、文化的ギャップを埋め、異なる仕事のスタイルを理解するのに苦労していた。
P50
どうやら実務的な問題解決の方法を、自然とみにつけている事に長けている人がいるようだ。そしてこの能力と一般的な知能には、それほど密接な相関はない。本書の目的上、反事実的思考にも注目すべきだろう。これは創造的知能の一要素で、ある出来事の別の結末を考えてみたり、自分が別の状況に置かれたところを一時的に想像してみる能力だ。「こうだったらどうか?」と自問する能力であり、それが欠如していると、予想外の困難に直面したとき、どうしたらいいかわからなくなる。過去を再評価できなければ、失敗から学び、次に同じ事が起きた時のためにはより良い解決策を見つける事は難しいだろう。これも多くの学力テストではなおざりにされている能力だ。このようにスタンバーグの理論は、知能が高いのに、なぜか仕事に必要な当たり前のことができない人々の問題を理解するのに役立つ。
P52
懸命な人間ならば、こうした批判とじっくり向き合っただろう。しかしターマンは自らの理論の問題を指摘されると、合理的に反論するのではなう、過剰反応する傾向があった。
なんかSNSでも人文系やジェンダー系の教授とかこういうの多くね?反論になってなくてただの感情論じゃ、という奴。


第2章 天才はなぜエセ科学を信じるのか----「合理性障害」の危険性でございます。
P58
ここでいう合理性とは、与えられたリソースをもとに目的達成に向けて「最適な」判断を下す能力、証拠や論理、健全な推論によって考えをまとめる能力を指す

P60

抽象的思考力を示すSATのスコアがきわめて高いのに、合理性を測る新たなテストの成績は低いという事もあり得る。このミスマッチは「合理性障害」と呼ばれる。

「フーディーニ自身は、コナン・ドイルという知識人の危うさを直感的に理解していたようだ。「優れた頭脳を持ち、高い教育を受けた人物ほど、簡単に騙されやすいものと相場が決まっている」とコナン・ドイルに語っている。」
P62
フレーミングというヒューリスティクスもある。情報の提示方法によって、意見は変化することを指す。あなたが命にかかわる病気を患っている、600人の患者の治療法を検討しているとしよう。治療の成功率が3分の1であるとき、「この治療法で200人は助かります」(利益フレーミング)と、「この治療法で400人は命を落とします」(損失フレーミング)という2つの伝え方ができる。どちらも言っていることは同じだが、利益フレーミングで提示するほうが、受け入れられる可能性は高くなる。与えられた情報が本当は何を意味するかを深く考えずに、受け身的に事実を受け入れるためである。広告会社にとっては常識で、だから食品の表示には(「脂肪分5%を含む」ではなく)「脂肪分 95%カット」と書かれるのだ。
認知心理学者は思考を2つのカテゴリーに分けるようになった。「システム1」は直感的かつ自動的な、無意識のバイアスに影響される可能性がある「速い思考」だ。一方「システム2」はより分析的かつ意識的な「遅い思考」である。この「二重システム理論」によると、私たちが下す不合理な判断の多くは、システム1に頼りすぎ、さまざまなバイアスに判断を曇らされるためだ、ということになる。

P64

妻が学習障害の専門家だったこともあり、スタのビッチは以前から、一部の知的能力の発達が他に後れを取るケースがある事に興味を持ち、合理性も同じではないかと考えていた。そこから生まれたのが、失読症や算数障害などの他の障害と同じような「合理性障害(Dysrationalia)」という概念を打ち出した画期的論文だ。

状況証拠から判断すると、合理性障害は珍しくないようだ。たとえばIQの高い人々の団体「メンサ」に関するある調査では、メンバーの44%が占星術を信じており、56%が地球外生命体が地球を訪れたことがあると考えているという結果がでた。しかし知能と合理性の喚起絵に的を絞った厳格な実験は行われていない。
P70
IQが比較的高い人はアルコール消費量が多い傾向があり、また喫煙や違法ドラッグを摂取する傾向も強い事が明らかになった。これは高い知能は必ずも短絡的利益と長期的弊害を比較するのに役立つわけではないというミカタを裏付けるものだ。


頭いい人が酒やめらないなら私でやめられるわけないね、しょうがないねw


こうした事実(IQ高い人でも資産の増加分は平均的な人よりわずかに多いだけだった)にとりわけ意外感があるのは、知能が高い人(そして教育水準が高い人)は、報酬が高い仕事に就く傾向があるためだ。それにもかかわらずお金のトラブルに陥るのは、稼ぐ力より判断力に問題があることを示している。

P74

オレゴン大学心理学教授のレイ・ハイマンはこう指摘する。「コナン・ドイルは自らの知能と才覚を、あらゆる反論を否定するのに使った。(中略)自らの賢さを、自らを欺くために使ったのだ* 30」 システム2を使い、たとえ誤っていても自らの信念を合理化しようとする行為は、おそろしく悲惨な結末につながることが多く、最も重要で、また最もよく見られるインテリジェンス・トラップの一形態と言える。

パーキンスを含めた心理学者の一部は、自らの意見を補強し、他の見方を否定するさまざまな戦術の総称として「マイサイド・バイアス」という幅広な表現を使う。法律論争で相手方の視点を検討することを叩き込まれているはずの法学部の学生ですら、調査でのパフォーマンスはかなりお粗末だった。

P78
カハンをはじめとする「動機づけられた推論」の研究者の結論は、賢い人は自らの優れた知能を常に等しく活用するわけではなく、自らの利益を追求し、自分のアイデンティティにとって最も重要な信念を守るために「日和見的に」使う、というものだ。知能は真実追求ではなく、プロパガンダ(主義主張の宣伝)のツールなのだ

これはかなり重要な部分かな・・・・・・

P81
「動機づけられた推論」が働くと、反対意見を突きつけるのが逆効果になることもあるという証拠もある。反対意見を拒絶するだけでなく、結果として立場が更に頑なになるのだ。要するに、誤った信念を抱いている知能の高い人は、事実を突きつけられるとより誤った方向に進むということだ。

この辺もSNSでよく見る奴やね。

信念はまず感情的な必要性から生まれ、それがどれほどおかしなものであっても、知能は後付で正当化するという研究成果と合致している。
P86
科学者が自らの領域以外でも自説が正しい事をひたすら証明しようとすると、ことさら酷い結果に繋がるケースもある。それが特に顕著だったのは心理学者のハンス・アイゼンクだ。1950年代にはこう書いている。「科学者もひとたび自らの専門領域を離れてしまえば、どこにでもいる頑固で理屈の通じない人間に過ぎない。その人並み外れて高いに知能は、その偏った思考を一層危険なものにするだけである。」皮肉なのは、アイゼンク自身が超常現象を信じるようになり、納得できない証拠を否定するために独りよがりな分析を繰り返したことだ。ノーベル賞受賞者に多い、さまざまな問題について怪しげな見解を表明するという残念な行動パターンを「ノーベル症」と呼ぶ科学ライターもいる。


これもよくSNSで見る奴・・・・・あとノーベル賞とかいろいろ大きな賞とった方々が明後日の方向の見解言う奴、ノーベル症なんて言われてるんすね。

P88
私達の職業がなんであれ「動機づけられた推論」と「認知の死角」が結びつくと、周日の人に対する偏った見方を正当化したり、職場で見当違いのプロジェクトを推し進めたり、望みのない恋愛を続けたりといった行動に走る恐れがある。
P90
アップルの共同創業者、スティーブ・ジョブズもエジソンと同じようにすばらしい知性と独創性に恵まれながら、現実世界に対して驚くほどゆがんだ認識を抱くことがあった。ウォルター・アイザックの手による公式伝記では、ジョブズの知人たちが「現実歪曲フィールド」について語っている。元同僚のアンディ・ハーツフェルドはそれを「カリスマ的な語り口、強靱な意志、目的達成のためなら事実を曲げることも厭わない情熱が入り交じって生まれる、周囲を困惑させるような状況」と描写している。この断固たる意志の力は、テクノロジーに革命をもたらす原動力となったが、私生活において裏目に出ることも多かった。2003年に膵臓癌と診断されたときが、その最たる例だ。ジョブズは主治医のアドバイスを無視して、ハーブ療法、スピリチュアル治療、果汁中心の厳格な食事療法など、いんちきな治療法に走った。周囲の人々によると、ジョブズは自分の力で癌を治せると確信しており、その驚くべき知性をあらゆる反対意見を退ける為に使ったようだ。
ここまで、知能が高い人々が愚かな行動に走る主な原因を3つ見てきた。第1に、人生で起こる問題に対処するのに不可欠な、創造的知能や実務的知能が欠けていること。第2に「合理性障害」があり、偏った直観的判断を下してしまうこと。第3に「動機づけられた推論」によって、自らの立場と矛盾する証拠を否定するために優れた知能を使ってしまうことだ。


どんなたとえを使うにせよ、進化心理学者にとって私達がこのように進化した理由は大いなる謎である。人間の本質にかかわる理論を構築する際には、人々の間でよく見られる行動というのは、種の存続にとって明らかにプラスなものであろう、と想定する。知的だが不合理というのが、生存にとって有利なことがあるのだろうか?

~中略~
ひとたび言語が進化しはじめると、集団のなかで支持を勝ち取り、周囲に自分の考えを認めさせるためには行動な話術が必要になった。支持を集め、自分の考えを通すために、必ずしも論理的な主張をする必要はなかった。説得力さえあればいいのだ。この微妙な違いこそ、不合理性と知能を併せ持つ人が多い原因かもしれない
第3章 専門家が判断ミスを犯す根本的理由
P102
あらかじめ被験者に自分には知識があると思わせておくと、異なる意見を求めたり、耳を傾けたりする姿勢が薄れることを示した。オッタティは専門性に関する社会規範を考えると、こうした傾向にも納得がいく、と指摘する。専門家には自らの意見に固執するだけの信用に足る実績がある、と周囲は考える。オッタティはこれを「獲得されたドグマチズム」と呼ぶ。*日本語には、初心者の好奇心や新たなアイデアに開かれた姿勢を示す「初心」という言葉がある。禅僧の鈴木俊隆が1970年代にこう語っている。「初心者の心には可能性があります。しかし、専門家といわれる人の心にはそれはほとんどありません」

COURRiERJapon(クーリエジャポン) 2015年 08 月号「21世紀のホワイト企業」書評(2015年06月28日 (日曜日))
「知識に頼らないほうがうまくいく」か。知ってる人名に○をつけよ、という設問。実は実験で設問には架空の人名も多数。結果を集計すると学歴の高い人、地位の高い人ほど架空の名前に○をつけていたんだそうな。自信をもっている人間ほど、自分は知識が豊かだと思い込む。そして知ったかぶりをするので未知のことを受け入れられない。こうして成長の機会を逃す。私はそんな知識はないけど、思い当たる節はあるなぁ・・・専門家も未知には挑もうとしない。医者が患者の話を遮るまでの時間は平均23秒。あと6秒待てたなら患者が重要な情報を話す確率が大幅に上がる事がわかっているんだという。未知のことにぶつかったら素直に「知らない」と言った方が高い効能が得られるわけか。というかそうだよね。


これを思い出す。というかこういう本が
Not Knowing: The Art of Turning Uncertainty into Opportunity (English Edition) Kindle版
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2014年には売ってたのね。日本語版は
「無知」の技法NotKnowing
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かな。Kindle版はないっぽい。


P115
原子力産業は「経験による作業の無意識化」を王りょ二入れてる数少ない産業の1つだ。検査員が自動操縦モードで作業するのを防ぐため、安全性確認の手順を定期的に入れ替えている発電所もある。航空をはじめ他の産業も、こうした発想を学んだほうがいい。


操作手順を定期的に一新したり、そういう奴ですかね。微妙に違うけど事故に遭わないためのあれとしてはゴミ収集車(パッカー車)の回転板、連続回転をわざとできないようにしているのもあるよね。連続回転させてたら効率は上がるけど、それこそ知らない間にその辺の人がごみを入れようとして巻き込まれたり、作業員が巻き込まれたりする可能性を低減できるものね。

P119
・計画を実行したり、自らの行動から悪影響が生じるのを回避したりするのに不可欠な、「暗黙知」と「反事実的思考」が欠けている。
・「合理性障害」「動機づけられた推論」「認知の死角」を抱え、そのために自らの思考の欠落に気づかず、いつまでも過ちを正当化する理屈を考え続ける可能性がある。これは入手可能な証拠をすべて検討することなく、自らの信念の周囲に「理屈で固めた小部屋を作る」ことに他ならない。
・「獲得されたドグマチズム」によって、自らの判断に過剰な自信を抱くようになる。それによって自らの限界を認識できなくなり、手に負えない状況に陥る。
・専門知識があるために、凝り固まった考えや無意識の行動をとるようになる。この「専門知識の逆襲」によって大惨事が迫っているという明らかな警告サインが目に入らなくなり、バイアスの影響を受けやすくなる。


なんか専門知識があるために・・・・・の云々は東日本大震災の原発事故を思い出すわね・・・・もちろんコストとかいろいろあるんだけど、そういう柔軟性があればあの原発事故も起きなかったのではないだろうか・・・・・

第2部 賢いあなたがきをつけるべきこと
└第4章 優れた判断力、知的謙虚さ、心の広さ

P133
要するに、どれだけ賢明な人でも、厳しい状況に置かれると愚かな行動をとる可能性がある、という事だ。

時間、金銭、その他、余裕というのはここ数年で本当に重要だと思い知った気がする・・・・・

P135
「自らの無知を素直に認めることは、問題を解決する最も簡単な方法であるだけでなく、情報を入手する最善の方法である。だからこそ私はそれを実戦するのだ」フランクリンは1755年、科学の研究で不可解な結果がでたとき、こう書いている。「周囲に自分は何でも知っていると思わせ、何でも説明しようとする者は、そんなに傲慢でなければ周囲に教えてもらえたはずのさまざまなことを、ずっと知らないままでいる」

P137
誰かにあなたの判断の根拠をチェックしてもらうところを想像したり、あるは友人や同僚にそれを伝えたりするのも効果的だ。私達は他者に自分の考えを説明しなければならないと思うと、より多様な視点を検討することが多くの研究で示されている。


この役割、AIに任せてもいいのかもしれんな。もちろん、人に伝えてそのバックを受け入れられればいいのだが。

P150
興味深いことに、マイケル・ストーリーを含めた超予測車の多くが、人生の一時期、海外で生活や仕事ををしたことがあった。単なる偶然かもしれないが、他の文化を深くかかわることがオープンマインドな思考を促すことを示す証拠もある。それが一時的に自らの先入観を捨て、新たなモノの見方を採用する事を必要とするためかもしれない。

海外旅行だけでも微妙にそれを感じることがある。一度、海外、価値観の違う場所で過ごすのも柔軟性を得られる手段なのかもしれない。ただ単に出歯亀になるんじゃ意味、ないが。

P151
3つのグループはいずれもオープンマインドな視点を持つことの重要性を認識していたが、衝撃的だったのは日本の学生たちは自己距離感と非常によく似た手法に言及していたことだ。たとえばある京都の学生は「第三者の視点でかんがえること」の重要性を強調しており、沖縄の学生は「反対意見に基づいて柔軟に思考すること」が大切だと語っている。
こうした文化的違いの原因はどこにあるのか。あくまで推測に過ぎないが、多くの研究が日本文化にはより全体論的で相互依存的な世界観が存在することを示唆している。日本人は物事の背景に注意を払い、誰かの行動の原因を幅広くとらえる傾向があり、それほど「自己」に意識を集中させないのではないか。

これ、もしかして昨日やってた


の災害から生き残る為に遺伝子レベルで刻み込まれたあれが影響している?もちろん、教育に関する部分もあるのだが・・・・・・


P155
いずれにせよ私達は、東アジアの文化では当たり前の、自らの能力を現実的に評価する姿勢を身につけるべきだろう。それは「認知の死角」を小さくする事、さらには論理的思考力そのものを高める事に繋がる。

なんでもかんでも欧米を見習え、とかいう連中、見ているか?

第5章 なぜ外国語で考えると合理的判断が下せるか

P158
しかしレイの心は、常に新たな可能性に開かれていた。「まだ青いうちは、成長し続ける。熟してしまったら、あとは腐るだけ」というのが口癖だった。糖尿病や関節炎の兆候が表れるなど、体の衰えは隠せなかったが、気持ちはまだ半分程度の若者と変らないぐらい青かった。


「熟しきった果実はいずれ地に落ちる。その時、世界の半分が闇に消える」とはよくいったものだ。

P192
大学を卒業した人々は平均に比べて、政治的陰謀論を信じる割合は少なかったものの、医療に関する虚報にはやや騙されやすいという結果がでている。たとえば製薬会社は利益のために癌の治療薬を発表しない、医師はワクチンが病気の原因であるという事実を隠している、といったことを信じる傾向が強かった。更に効果が実証されていない代替医療に頼る割合も高かった。
P200
一般的に財力があり、大学を卒業している中流層のほうが、健康に関する不安は高い。意志に関する陰謀論や代替医療への傾倒は、こうした思考体系と相性が良い。


だから日本でこれだけ陰謀論的な医療が流行るわけね。大学とかはともかく世界的に見れば中流層的な経済圏でしょうからね。

P216
グリーンピースの元リーダーでさえ再起では「人道的行動よりイデオロギーを優先させるのは、道徳的に容認できない」として、かつでの同僚達の不安を煽るような姿勢を批判している。


まあ、外に出て現実見えたんですかね?この方も。


第3部 実りある学習法----「根拠に基づく知恵」が記憶の質を高める
第7章 なぜ賢い人は学ぶのが下手なのか----硬直マインドセット

P232
成功しようとする意志よりも、対象に心から興味を持つことの方が重要なのだ

P249
ダーウィンはどうか。その探究心は「種の起源」刊行後も変わらず、懐疑的なあるは批判的な相手と長々と交信を続けている。独自に考えをまとめることができるだけでなく、他社と議論し、そこから学ぶ力もあった。このような資質は、今日のような変化の激しい時代こそ重要なのかもしれない。ジャーナリストのタッド・フレンド派ニューヨーカー誌にこく書いている。「19世紀には技術者の「知識の半減期」、すなわち専門知識の半分が時代遅れになるまでの期間は35年だった。それが1960年代には10年になり、いまや最大5年、ソフトウェア技術者に至っては3年に満たなくなっている」


AIのこの時代、情報をおいかけているとソフトウェア技術者の3年もきつくなってきている気がしないでもないです。

この研究にやる気を刺激されたという人には、好奇心を高める一番シンプルな方法の一つを紹介しよう。それは何かを学ぶとき、意識して自律的になることだ。たてば学習するテーマについて、自分がすでに知っている事を書き出し、それから本当に答えを知りたいと思う疑問を書き出していく。目的は知識の欠落部分を明らかにする事だ。解明すべきナジを産み出すと、好奇心が高まる事が示されている。更に学習が個人的な物になり、それもさらに興味を刺激するだろう。
自分の建てた問いが試験に出るかどうかと行った事は問題では無い。ドーパミン分泌に伴うスピルオーバー効果によって、他の様々な事実も記憶しやすくなる。学習への積極性を高めるちょっとした工夫によって、記憶力そのものが高まると同時に、学習プロセスそのものが楽しく感じられる。役に立つと思って資料を学習するより、面白いと思って取り組んだ方が、学習ははるかに効率良く進む事に気がつくはずだ。


義務教育や高校時代、学習が楽しいものだとは思いませんでした。が、やりたい事、こういう事ができればと思った瞬間に、様々な学習が楽しくなりました。その後の専門学校での授業や、仕事先での学びもむしろ家に帰ってまでやる始末。やはり大事なのは好奇心、探究心、そして何かやりたい事を作るべきじゃないのか、と。

第8章 努力に勝る天才なし----賢明な思考力を育む方法

P269
「日本の教育現場には、こうした混乱の時間を長引かせようとする文化がある。混乱した状態が長く続くほど、生徒達はより多くを学べると考えているのだ。それにたいして欧米では(単に)正解を求める事だけに照準を合わせている。そして生徒が正解できるように問題をできるだけ簡単にしようとする」

あれ?

より深く学習させる日本の方式から授業が簡単なとにかく正解を、みたいな欧米式みたいなのに日本もなってきている?

第4部 知性ある組織の作り方
第9章 天才ばかりのチームは生産性が下がる

P294
集団的思考を最も損なうのは、チーム弁バーがお互いに競争関係にある時だ。戦術の金融機関やその他の企業文化の問題はそこにあった。この会社では毎年、業績評価に基づいて行って数の社員だけを昇進させていた。つまり社員は互いを脅威と感じており、その結果は共同作業はうまくいかなかった。

日本だけではなくこういう成果主義は世界でもうまくいっていなかったって事か。
そりゃ、周りがライバルなら周囲に自分のノウハウを教える事もなく、なおかつ足を引っ張るわな。

P306
選手同士の強調がそれほど必要とされないスポーツで、才能過剰効果の証拠はまったく見られなかった。ステータスが問題となるのは、チームのメンバーが協力し合い、互いの裁量の部分を引き出さなければならないときだけだという考えを裏付ける結果だ。野球のような、バスケットやサッカーと浦辺手相互依存性の低いスポーツでは、資金の許す限り一流選手を集めるのが理にかなっている。

サッカーだとせめてスーパースター選手は5~6割ぐらい?にしないと結果が追いつかない、とかだっけか。

第10章 バカは野火のように広がる----組織が陥る「機能的愚鈍」

P328
脅威にさらされた集団は、体制順応的になり、1つのことしか見えなくなり、内向きになる。yり多くのメンバーが同じ考えに染まっていき、複雑で細かなニュアンスを含む考えより、単純なメッセイー時を好むようになる。こうした現象は国家レベルにも見られる。たとえば国際紛争に直面した国では、新聞の社説が次第に単純になり、同じ内容を繰り返すようになる。

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ようはこれができない人間は・・・・・自分的にも戒めないと。