デジタルリスキリング入門――時代を超えて学び続けるための戦略と実践 Kindle版、書評

なんとなく気になり買ってみました。
デジタルリスキリング入門――時代を超えて学び続けるための戦略と実践 Kindle版
デジタルリスキリング入門

└アフィリエイトリンクです。

学び直し、リスキリングと今や流行の言葉ではありますがどちらかというと私らみたいな仕事の人間は定期的に学び直し、というよりかは常に学び続けていないと仕事にならない、部分はございます。ただその学びの深さでいえば社会人としては働きながら、になってしまいますし、自営業だとそこまで学びに時間が取れないのも事実(稼げる仕組み作れている人はいいけど、自分が行って作業しなければならない系だと、ようは学んでいる時間は金にならんというのもありまして・・・・)。

学び直しの考えや思想的なものとかそういうのも含めてこういう本を読んでみるのもいいかな?と思いまして買いました。

結論としてはその手の考え方や時間の作り方、細かい所ですが各OSのキーボードのショートカットの使い方(いくつかは使ってるのありますが、使ってないのもありました)は勉強になりました。

その中で気になった部分を引用してメモ。

22ページ
「プログラミングをはじめとするテクノロジーの力を借りて、ルーチン作業をコンピューターにまかせる事で、固定的な人件費が浮くことになります。浮いた人的リソースは、より人間がすべき創造性のある仕事に割り振る事ができます。そのために、開発や人材育成にお金をかけるのは、理にかなっている投資です。」

前々からやりたいのはこの手の作業、しかし現場も好き、いろいろな所に行くのも好き。ただそれだと得られる収益は限られてしまうのですよね。プログラムに限らず、仕組みを作り、それを管理する方面の方が当然、お金も手に入るし、自分の成長の時間も増やせる。

25ページ
「VBAという言語は、ノンプログラマーにも使える言語として普及してきた背景があります。ノンプログラマー向けだからという事で、とにかく動けばいいというニーズがどうしても前面に出てしまう傾向にあります。~中略~かつ、ノンプログラマーの多くは非IT部門に在籍していることから、作成したプログラムは組織で管理されずに、属人的に作成され、管理される事になります。ひとまず動けばいい、他人に見られることはない、そのようなスタンスになりがちです。結果的に読みづらく、、変更や修正がしずらいコードによる、困りもののプログラムが量産されやすい、そんな歴史があったのではないかと思います。そして、本職のプログラマーが、そのようなプログラムや開発の様子を見る機会があったとするなら、あまり触れたくないものだと、拒否反応を示すのはあり得る話です。」

わかりますというか・・・一時自分でもやってたし・・・VBAではないですが独自のプログラム組んだりファイルメーカーでデータベース作ったり。ただ自分用だけに使いが手、あんまよろしくないんですよね。自分がわかってればいいや、なていで作っちゃうし。それを後任が、となると・・・・・仕事で受けた奴はそれなりに作りますが・・・・

29ページ
「スキルがあると知れ渡ると、周囲から次々と仕事を任せられ、むしろ残業量が増えてしまうこともあります。そのような苦い経験から、周囲に自らのスキルを隠している人もいて、僕はそれを「隠れキリシタン」と呼んでいます。これではせっかくスキルを身につけても報われません。「働く」の価値を上げる為には、個人のスキルをアップデートするだけではなく、その受け皿となる組織もアップデートしなくてはいけなかったのです。

ここ重要よね・・・・・自分だけが変っても・・・・身につけたスキルが報われる組織にするか、それが叶わないのであれば環境を変えるか。

52ページ
「技術革新により必要となるスキルと現在の従業員のスキルのギャップがいつ顕在化するかという問いに関しては「既に顕在化」しているが43%、「5年以内」までを合計すると9割近くが顕在化すると回答しています。」
53ページ
「しかし企業が人材に等しているかというと、まったく十分ではないというデータが示されています。OJTを除く人材投資のGDP比はアメリカが2.08、ドイツが1.20に対し、日本は0.10と、諸外国に比べると10分の1または20分の1というレベルです。」

いろいろ余裕がないんでしょうね・・・・・あとは効率化しても報われない文化?

54ページ
「では、個人で学習をしているかというとそうではありません。「社外学習・自己啓発をおこなっていない人の割合」は46%、諸外国に比べると突出して高いパーセンテージとなっています。」

というか勉強が嫌い、という風潮になっているのでは・・・・好きな事だと結構学習は楽しいよね。時間があっと言う間に過ぎ去る。

60ページ
「プロティアンキャリアは、組織の中よりもむしろ個人によって形成されるものであり、時代と共に個人の必要なものに見合うように変更されるものである」
「一方で「個人の必要なもの」とはなんでしょうか?従来型キャリアでは、地位や給料をその成果としていましたが、ダグラス・ホールはプロティアン・キャリアにおける成果を「個人の心理的成功」としています」
64ページ
「リスキリングとは「市場ニーズに適合するため、保有している専門性に、新しい取組にも順応できるスキルを意図的に獲得し、自身の専門性を太く、変化に対応できるようにする取組」の事です。変化は必ず起き、そしてそのスピードは速くなっています。それに対応できるように、リスキリングとはスキルを意図的に獲得する取組のことです」
「働く事で心理的成功を高められる状態を作る事、またそれを維持するために、スキルをアップデートし続ける力」=リスキリング力

仕事や個人の事で定期的に学びなおしを求められます。例えば今回の個人サイトや仕事のWebサイトやシステム移行に
・基本、LinuxであればRed hat 7.3、もしくはCentOS 5、6ベースの知識がCentOS7~9
・Docker(今まで使ってなかったから新しい知識かな)
・VMwareと(P2V)(Physical to Virtual (P2V))に関する知識
・その他細かい技術
を得られました。ただあくまでこれらは必要に応じて、好きな部分もあって、というのもありまして本に書いてあるような市場価値がどうとか考えないで学んでいるので仕事に直結しないのはあるのかも。あと過去にもいろいろ学んで、なぜかその直球の部分ではなく、基本を知っていたから応用が利く、そんな部分で仕事に役立つ時が多い気がします。もう少し市場価値を事を考えて学べばまた違う結果になっているかもしれませんね。

113ページ
「他責思考と自責思考をいずれも捨てる。」
「自分自身ではなく、自らが運用している「システム」に原因があると考えるのです。うまくいいかないところが観察されたのであれば、システムの、いずれかのレバレッジポイント、すなわち改善すると効果的であるポイントを探し、そこに変更加えます。実際には、そのシステムは自分が用意したものですが、俯瞰的(ふかんてき)にとらえる事で、自己効力への悪影響を和らげる事ができます」

第三者的な視点で見る、わかってるんですがなかなか・・・・

121ページ
「計画とは目的に到達するための方法の事を言います。計画を立てておくという事は、目的に向かう間の手順をあらかじめ決めておく、つまり自らの行動をプログラミングしておくことにほかなりません。目的がはっきりしていれば、そこに到達するための計画を立てる事が出来ます。計画があれば、スタートを切ったあとの意志決定に時間をかけずに済むようになりますし、自信を持って行動をとることが出来るようになります。」
123ページ
「とにかく、とりかかれば心が燃え上がるし、続けていれば仕事は完成する。という、ドイツの詩人ゲーテの言葉は「とりかかる」という小さなレベルの目標の積み上げが、大きな目的の達成につながる事をまさに表現しています」

とりかかる事と、続けていれば仕事は完成する、は継続は力なり、ですね。

133ページ
「個人レベルでは、もし観察や情勢判断が十分適切に行われたとすれば、大部分の事に関して何をすべきかは明らかであろう。このような「暗黙的な意志決定」は「直観的能力」という概念を別の角度から見た物にほかならない。」
134ページ
「脳の進化した能力を利用し、驚異的な精度での迅速な行動を可能にする経験則にもとづいているのが直観である。直観のすばらしさの秘密は無意識の知性、つまり、状況に合わせて頼るべき規則を考えなくとも理解出来る能力にある。直観が最も高度な論理的思考や計算戦略に勝る事も、直観をどう利用出来るか、直観がどうして私達に道を誤らせることがあるかも、ここまで見てきたとおりである。」
137ページ
リラックスしたときにみらめく
「学びを結果に変えるアウトプット大全」では
・お風呂とトイレ
・移動中
・寝る前・起きた時
・お酒を飲んでいる時
がアイデアが生まれやすい創造性の4Bと呼ばれるシチュエーション。

この手の部分はそう思いまして、歩いている時、風呂に入ってる時、酒を飲んでいる時にこれだ!と思う時が多いのですが風呂が入ってる時はそのまま忘れ、酒飲んでる時は憶えているわけもなく、みたいな感じでもったいない感はあったりします。
「技術書」の読書術 達人が教える選び方・読み方・情報発信&共有のコツとテクニック Kindle版を読み終えた(2023年8月26日(土曜日))
の時みたいに風呂でメモする環境(水性のペンのボード貼って書いたものをスマホで写真撮るとか)、何かしら思いついたアイデアをメモする習慣は必要かと思います。

147ページ
「日中、8時間は本業の事務職に集中し、それとは別のプライベートの時間を確保して学習する事になります。しかし、そのとき学んだ事柄は、脳の中のどの情報とも結びつくことがなく精緻化されません。したがって、その記憶は忘れやすく、記憶したとしても取り出しづらいものとなってしまいます」
「キャリアにおいてもスキル獲得が有効かどうかも確認しておきましょう。実務やプライベートで使えるものであり、かつ将来的に向かいたい目的に到達するのに役立つスキル、転職市場で重宝されるスキルであるならば、より自分への関連づけが強化されます。」

定着ですよねぇ。

163ページ
「僕は、書籍を読んでいるとき、講義を聴いているときなどに、「ツイート学習」をするようにしています。Twitterは文字数が少なくても投稿が成立する一方で、フォロワーに見られている感もありますので、手軽で効果的な学習ツールです。目から鱗だったポイント、気づきやア
イデア、または疑問に思ったことなどを素直にツイートしながら学習をするのです。これをツイート学習と言います。ツイート学習は、学習中の学びも高めることにつながりますし、あとで、自らのツイートを見返して復習に使ったり、ブログなどで整理するときの材料として活用
したりすることなども可能です。話すアウトプットで、最もおすすめなのは、話して教えることです。新しい言葉や概念など、学んだことを家族や友人に話すことで、自ら言語化できるか、相手に理解してもらえるように伝えられるかということを確認できます。また、人前で発表する、登壇するというのは、より深い理解と準備を要しますし、緊張感を高める場として活用できます。もし、相手がいない場合は「ラバーダッキングーという手もあります。これは、ゴム製のアヒルのおもちやに話しかける問題解決法のことです。相手がモノであったとしても、記憶を呼び起こし、声として発声し、自らにフィードバックすることで十分な効果が期待できます。」

私もTwitterには公開できる情報はメモを投入したりしています、ツイログで検索しやすいように。

224ページ
「あなたが働いているオフィスも、割り込みや雑音が頻繁に発生するのが当たり前になっていて、なかなか集中できない環境かもしれません。もし割り込みや雑音がない環境であれば、より集中して仕事ができるようになり、生産性が上がるのは必然です。その集中できる状況を作り出せれば、今からでも効率を上げられるのです。」
288ページ
「前述のとおり、ビジネス側でデジタルを用いた発想を力を持ち、その橋渡しができる人材の価値も高まっていくと予想されます。」

これもありますねぇ。自分が開発しても良かったのですが規模やその他考えると外部業者を使った方が良い。ただダイレクトの顧客と開発側を繋いでもこれは伝達に齟齬が発生する可能性が高い、という事で実際に私がその業務をしばらく肩代わりし、それを開発側に伝える。

やるべき事は多々あるなぁ・・・・・