先日の
★「プレイステーションの舞台裏:元CTOが語る創造の16年」が発売。ソニーの元・最高技術責任者がその軌跡を語る書籍
の記事を見て面白そうだったので買いました。
★プレイステーションの舞台裏: 元CTOが語る創造の16年 (オフィスちゃたにパブリッシング) Kindle版【アフィリエイトリンクです】
でございます。
初代プレイステーションの事業立ち上げに参画し、その後、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントCTOおよびEVPとして歴代のプラットフォームの構想・開発・事業運営に関わった茶谷公之さんによる類まれなる事業創造体験の実録。
ソニーがプレイステーションを発表、発売、第1次次世代機戦争の勝者→プレイステーション2あたりまでは私もゲーム業界に憧れていた時代でしたからその手の業界の本は結構読んでいました。一番ゲーム機戦争で熱かった時代でもあるかな。
目次が第1章: 冒険の始まり
第2章: プレイステーション発売前夜
第3章: 初代プレイステーション発売後
第4章: 初代プレイステーションの北米での発売
第5章: アマチュアゲームクリエーター向けプロジェクト「ネットやろうぜ」
第6章: SCEの草野球チーム OZBLACKS
第7章: シリコンバレーへの赴任
第8章: PS2の北米立ち上げ
第9章: 日本に帰国し、40歳でCTOに
第10章: PSXが遺したXMB、後にソニーの共通UIになる
第11章: SCE初の携帯機プレイステーション・ポータブル
第12章: E3(ELECTRONIC ENTERTAINMENT EXPO)
第13章: 時代の先を行くCELLプロセッサ
第14章: 難産だったPS3
第15章: ノンゲームアプリケーションへの挑戦
第16章: プレイステーションネットワーク
第17章: 創業者世代からのバトンタッチ
第18章: いろいろとやってみた事、妄想してみた事
第19章: プレイステーションとの16年5767日の冒険
おわりに: 未来へ
なのでこれだけで面白そうです。
著者が1994年5月にSCEに異動、それから開発部内に技術企画室という組織を作ってもらいその室長に収入。そうしたらすぐにアメリカ東海岸へ出張に行くように命じられる。COMDEXへの出張との事で。でもその目的が初代プレイステーションでコンテンツダウンロードするための安価なハードディスクを見つけてくる事だった、と、
初代PS発売の約半年前やぞ!?あいにく、期待する価格でハードディスク調達はできない、という結論でその報告を日本に戻り久夛良木さんに報告すると「そうか。お疲れ様」という返事で、成果無しだったので怒られるかと思ったらそうでもなかった、と。
★「久夛良木が面白かったからやってただけ」 プレイステーションの立役者に訊くその誕生秘話【丸山茂雄×川上量生】読んで当時の事を思い出した(2016年10月25日 (火曜日))
「実際、当時の俺たちは会社からそういう風に聞かされてるの。でも、そこでソニーが訴訟を起こすような話にはなっていないのが、どうにも不思議なんだよ。」
これは確かにそうだよね。久夛良木さんはそれをうまく焚きつけて自分達でゲーム機だそうという方向に会社をもってったと。それも凄い話だ。
そしてその真実については
「そう。久夛良木は、真実を知っているはずだね。」
こういう話を見ているとね。
紆余曲折あってポケットステーションの北米・欧州市場での販売は行われなかった。
そうなのか。全世界で販売されてるものかと思ってた。
一方で、8つの(最終商品版のプレイステーション3では7つの)Synergistic Processing Elementをプログラミングし、うまく制御するというマルチプロセッサ的プログラミングの為のツールもまだ十分ではなかった。この為、Cellプロセッサの最高の性能を引き出すための手法を日々模索していた。その時点から15年以上経った現在では、その当時見えていなかった深層学習のような手法などで自動化を試みるなどのアプローチもあるのかも知れない。
こういったソフトウェアエコシステムの構築における苦難とそこからの学びは、のちにプレイステーション4のアーキテクチャを決定する事になった時の一つの重要な指針となった。
Cell、早すぎたんですかねぇ。今となってはヘテロジニアス・マルチコア、結構普通ですよね・・・ARMにしてもM1にしても・・・・で、この複雑なCellを使いこなすのにはかなり骨が折れるので次のPS4はx86と汎用的なGPU(カスタマイズはしてるけど)ないわゆるDOS/Vパソコン、PCと同じような作りに。PS5もそれを蹈襲していますよね。
こうなるとPCとの差別化的な部分というかアーキテクチャ的にはなんか面白さはなくなってきますよね。まあゲームが面白ければそれでええのですが・・・・・
x86にしたのはクラウドゲーミングレディ(サーバー側でレンダリングを行いネットワークで映像情報をストリーミングの形式でユーザーの手元のゲーム機に送り、手元にゲームアプリがなくてもゲームが遊びを実現できるもの)も考えてたと
PlayStation4では最終的にPC等で一般的に使われているx86アーキテクチャを採用した訳であるが、このアーキテクチャを取っておけば、将来プレイステーション4で動作するゲームをクラウドのサーバー上で稼働させやすくなるだろうという算段を僕はもっていた。
と記載されておりますね。ここまで考えてるのは凄い。流石にまだ性能を必要とするゲームはx86+AMDかNVIDIAのGPUが必須ですからARM+何かのGPUになるのは相当時間がかかりそうですし。ただ遅延の問題、どうするべか?という話に。解決策としては5Gや6G、キャッシュ等、いろいろ考えてはいるようです。多分、この手の話だと10~20年後には解決してんでしょうね。こういう人達がいるから現実になるんね。
133P
ゲームメディアの記事によれば、プレイステーション3の発売6年後の2012年11月にプレイステーション3の出荷台数が7700万台となり、Xbox 360の7600万台を上回ったという。計測時期が異なるので比較は出来ないがプレイステーション3の累積出荷台数は2017年3月31日で8740万台、Xbox 360は2014年発表が最新で8400万台の出荷となっている。
あれ?PS3とXbox 360ってこんなに肉薄していたのか。初期Xboxに比べればMicrosoft、大健闘じゃん・・・・
155P
PlayStation Vitaの基本システムは英国のARMのCPUと同じく英国のイマジネーション・テクノロジーズ社のGPUの組み合わせとした。ARMは初代PlayStation時代にリリースしたポケットステーションで採用した事があった。PlayStation Vita(プレイステーション ヴィータ)は奇しくも同じ頃発売されたiPhoneと同じ構成をとっていた。勿論両者で相談していた訳ではないが、最適な選択をした結果、同じシステム構成に至ったという事なのだろう。
個人的には当時のニュースではスマホと同じ構成じゃん?と思った覚えが。同時期に同じように検討してそういう結果になったのかな。というかもはやスマホ普及前と普及後では使用するチップの構成を検討するに当り、性能当りではもうスマホと同じ構成にするしかない気がするよね。ドローンとかもそうだけど。
158P
プレイステーション4ではシステムアーキテクチャーにメインのゲームシステム部分がスリープ状態になっていてもネットワークからのコンテンツダウンロードが実行出来る形に構成を進化させてもらった。~中略~この進化により、プレイステーション3時台に発生してしまっていたネットワークコンテンツ配信にまつわる機会損失がプレイステーション4では最小限に抑えられた。この仕組みがある事で、プレイステーション4以後のプレイステーションにおいてプレイステーションネットワークビジネスに大きく寄与したと考えている。この事は僕のプレイステーション時代16年間での最大の貢献だったかもしれない。
あああ!!!あった、PS3か・・・あれ?PS2のネットの奴だったかな?セットアップ頼まれた時だったかな?電源入れてダウンロード始まってアップデートが始まってこれ、いつゲームできるん?というのが印象強くて・・・・・それを解消したのもあるけどこういうのを別にした結果、SNS連携とかリアルタイムできるようになったの、この仕組みなんじゃ・・・・
とはいえ、今や任天堂1強、高度なゲームは場合によってはPS5ではなくPCを買うレベル。3DS、そしてSwitch。来年はいよいよ次世代Switchが出てくる。PS5は転売の奴らのおかげで正直・・・いま、ソフト、充実してるん?ファイナルファンタイジー7リメイクはやってみたいとは思うけどさ。
この方の人生、凄く楽しそう。家族ぐるみでの移動は大変だっただろうけど、このクラスだと凄い充実しているよね。
久夛良木さんも、この手の本、出してくれないかね?
今回は勝ち組の本、この前読んだ
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は負けてしまった方のお話でしたね・・・・・
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